絵本が好きだ。
いつからだろう。小さい頃よく読んでもらっていたからかな。
保育の仕事に関わり、莉麗と絵本を見るようになり再び絵本にハマった。
あれこれ読むわけだが、ながく愛されて読まれている絵本はいつになっても色褪せない。
かこさとしなだるまちゃんとてんぐちゃん。これは莉麗と結構好きで何度もリピートしている。
昨日まで「天皇陛下バンザイ」といい、「非国民」と言って人を裁きののしっていた人たちが、1945年8月15日を境に「これからは民主主義だ」と言うようになった。そんな人間の心の変わりようは嘘だ、と加古さんは言います。
人間は嘘をついてはいけない。だから子どもには、嘘をつかない生き方、自ら考えて、自ら行動して、自ら発見する生き方をしてほしい、と加古さんは願っていました
大人は子どもに何でも教え込むのではなく、子どもが自分で気づき、発見するきっかけになるよう導いていくのが役目だ、と加古さんは考えていました。
例えばエノコログサ(ねこじゃらし)でも、それを手折って与えるのではなく、生えているところに一緒に行く。すると子どもは、手の平に乗せたり、首をくすぐってみたり、自分でエノコログサの特性や扱い方を発見していく
膨大な数の紙芝居を創作していますが、それは目の前の子どもたちの反応を肌で感じながら描かれていたんですね。『どろぼうがっこう』をはじめ多くの紙芝居が、のちに絵本になっていきます。
加古さんの科学絵本は詳しくて、しかも正確です。「これはどうなのか」ということが、順序を追って描かれていて、しかも実験までできるように構成されています。「ストーリーとしては本に描いたところまでだけど、実はその奥に面白いものがある。その奥の面白さについて子どもが読んで分からない時は、大人が読んでお話をしてあげられる」と加古さんは言っていました。
何と言ってもパイオニアです。緻密な絵を描く作家であり、科学を推奨する作家であり、日本の伝統的な民芸品を主人公に据えた物語を創作する作家です。それまで誰もやらなかった分野を率先して描いてきました。加古さんに触発されて絵本作家になった人もたくさんいます。
生きるということは、本当は、喜びです。生きていくというのは、本当はとても、うんと面白いこと、楽しいことです。もう何も信じられないと打ちひしがれていた時に、僕は、それを子どもたちから教わりました。(中略)だから僕は、子どもたちには生きることをうんと喜んでいてほしい。(中略)心から、そう願っています。