りりらぼ

Noteのようなもの。教育、保育、遊び、学び、問い、哲学…それぞれが絡んでいる日々を綴ります。 Education, childcare, play, learning, questions, philosophy … Spell out the days that each is involved.

Hanahauoli school Reportより

 

 8年間の生活の中でゆるやかにはじまる。まずは環境に慣れ、たっぷり遊び、その中でコミュニティーの一員であることを感じ、自ら生活をつくっていくという部分いいよね!自分自身がつくり手になる感覚があることが重要なんだろうなぁ。

5、6歳からはじまるプロジェクトは安心からスタートするのかな。聞き合うって経験もここまでにできていそう。聞きあうことが日常で、聞いてくれる安心があれば、自ずと話だし対話になりそうだな。はじまりのプロジェクトのシェルターは安心基地的な意味合いもあるのか、創造的な活動で表現が大切にされていること、同時に構造を学び、身近にある環境に目がいくんだろうな。

7ー10歳にかけて身近なところから世界へ目がいく。ここのひろがりかたっておそらく自然だし、その中で答えのない問いもどんどん出ていくんだろうな。ここで対話の重要性がぐっと出てきそう。

結びのところのさとさんのみるポイント素敵。

言語化のしにくい部分で「どこか一味違う」という部分を感じ取りたい

そうやってみてるんだー。でも自然とそれはやってるような気がするし、子どもと過ごす日常ってこの連続だと思う。

 

 

Hanahau'oli School

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 学びのコミュニティはどのように創ることができるのか?デューイの理念を体現するプログレッシブ伝統校–Hanahau'oli | こたえのない学校

【8年間を通じて子どもたちはどのように成長するか】
 

1)プレスクール(年中)

ハナハウリの八年間は充分に遊ぶことから始まります。クッキーを焼いたり、かたつむりを捕まえてきたり、工具の使い方を覚えたりと楽しく過ごしますが、お友達とのやりとりを緩やかにスタートしながら、ハナハウリの環境に慣れ、自分自身を知り、コミュニティの一員として責任を持つという生活の基礎を築きます。本については、6年生が読み聞かせをしてくれます。

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2)年長―1年生

年長さんから上は2学年混合のクラスになり、プロジェクトがスタートします。年長と小学校1年生は「シェルターは人が(根源的に)必要とするものである」ということをテーマに、段ボールなどを使って、自分自身のシェルターを作っていました。作りながら、どうして人にはシェルターが必要なのか、そのためにどういうシェルターにする必要があるのか、などを学んでいきます。自分の家のことを調べたり、蟻の巣の構造を学んだり、実際に日本の津波の後に作られた一時的な避難所のことを学んだり、建物の工事現場に行って、立ち上がっていく様子を見たりしながら、その経験を重ね合わせて、自分のシェルターを作るのです。

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3)2−3年生

このクラスはちょうど外に出ており、様子が見れなかったのですが、壁には生徒たちが描いた学校全体の見取り図などが貼ってあり、プロジェクトテーマとしては「”家族、学校、都市”のコミュニティ」をやっていたようです。ちなみに、1学年26名程度、2学年混合で50名を超える生徒が同じ部屋で過ごしますが、3つのグループに分かれて、ティーティーチングを行います。(学生教員も受け入れています)レイアウトは、年中から5年生までは同じで、完全にユニットを仕切らず、お互いのグループが何をしているかわかるような形で大きなスペースを分割して使っています。

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4)4−5年生

2−3年生のプロジェクトでは、自分の身近なコミュニティを探索するのですが、4−5年生になると世界全体がテーマの対象となります。プロジェクトテーマは「Migration(移民)」で歴史や科学を取り入れながら、新しい環境を求めて移動する移民が直面する課題はなんなのか、新しい環境に適応するためにどのようなことが必要なのか、そこで発生するサバイバルとは何か、というようなことを学んでいます。ちょうど見学した時は、プロジェクトに関わる問いをみんなで考えているところでした。

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【コミュニティ形成を主軸におく】
 

上述の通り、ハワイは全米でもっとも人種が多様な州と言われています。もともと多民族であることに加え、移民も多く、宗教や文化が大きく違う子どもたちが集まってきます。そのような中で、この学校ではコミュニティの一員としての自覚を持って生きるということにとてもフォーカスして全体のカリキュラムが作られていました。

生徒が200人程度であってもそのまま教室で学んでしまうと、お互いのことをよく知ることはできません。でも、ここでは学年を超えてコミュニケーションを取れるようなたくさんの配慮があり、全員が全員を良く知っている関係になるようにしていました。

確かに知らないから相手を傷つけても心が痛まないということはよくあると思います。自分の属するコミュニティの人を全て知り、その一人ひとりがかけがえのない人だと感じる経験は将来にわたってとても大事な経験になるはずです。

さらに生徒は自分の「足跡」をこの学校に残していくことで時間軸を超えたコミュニティの一員となります。例えば、自分の誕生日に図書館に本をプレゼントする文化があるそうなのですが、卒業して何年経っても、自分が贈った本は学校の図書館にあるそうです。また卒業のときには自分の名前が入った自分だけのデザインプレートを贈るのですが、それがずっと学校のどこかにディスプレイとして残るそうです。

 

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学校見学の時にみるポイントは、もちろん校舎が素敵だとか、カリキュラムが優れているなどもあるのですが、言語化のしにくい部分で「どこか一味違う」という部分を感じ取りたいと思っています。私の感覚だと、豊かな学びをしている子どもたちは、どこか豊かな表情をしているものです。「楽しい」だけとも違います。自分が成長していることの喜びをどこかで感じています。

優れた学校というのは「豊かなコミュニティ」が形成されており、「豊かさが何かを理解する大人たち」に囲まれ、「子どもたちが豊かだ」と感じている学校なのではないか、と今回の訪問で思いました。

いくら歴史的にデューイに所縁があるといっても、情熱が続かなければ、学校の転落はあっという間です。100年もの間、これだけの学びのコミュニティーを創り上げてきたというのは、本当に尊敬に値することです。新しいものをどんどん取り入れることも重要ですが、大切にしたいことがブレないということも忘れてはいけないのでしょう。