幼児にとって試行錯誤はどう重要なのか。
(学芸大附属幼稚園の実践研究を受けて、試行錯誤とおぼしきあたりの分類を増やしてみました。)
まずやってみて、そこで面白ことが起きれば、また繰り返す。
やり方がいい加減で、その都度、ちょっとした違いがあり、それによりエラーも起こるが、うまくいくこともある。
たまたま起こることを利用する。注意が分散しやすいことがかえってそれを利用しやすくする。
環境・教材などが雑多であり、思いがけない反応が起こりやすい。
繰り替えず時間がたっぷりと用意されていると、何度も繰り返せて、試したり、間違えたり、当初と違う方向に逸れたりと、ズレていっても差し支えない。
やりながら考える。いました行為をちょっと振り返っては次に進む。
記憶力が十分でなく、正確に何をしたからどうなったかを想い起こして分析できないので、何度もやり直すことに意味がある。
何を実現したいかの目標が生まれて、しかしそのための手立てが自分の手持ちの手立てとして持っていないことが多く、おぼろげに良さそうなことをやってみて、目標に近づくかを見てみることもある。
大事なことはやみくもの試行錯誤というよりは、複雑な生態学的環境の中にいて、たくさんのその都度異なる試しを通して、対象や活動の微細な特徴に気付きつつ、そこにふさわしい手立てを見いだしていくことにある。そのうち、そこに目標としての実現の状況が想像され、そこに至るであろう多種多様な手立てのしての行動も予想が付いてきて、それらがいわば可能的な環境の一部となって、検討されていく。